脳性麻痺 ジスキネティック型(アテトーゼ型) 運動特徴

 脳性麻痺ジスキネティック型(アテトーゼ)の運動特徴は不随意運動や非対称性姿勢とともに以下のようなことがあるといわれています。

①安定性の欠如

②関節運動の中間位コントロールが困難

③一度起こした運動方向を途中で変更することが困難

これらは過剰な相反神経抑制により生じます。過剰な相反神経抑制とは主動筋を働かそうとすると拮抗筋の緊張がゼロに近い状態になることです。

例えば肘を曲げる時には上腕二頭筋が主動筋で上腕三頭筋が拮抗筋になります。肘を曲げる運動を途中で止めたり、伸ばす運動に切り替えるには上腕三頭筋の働きが必要です。ジスキネティック型(アテトーゼ型)の方は主動筋を使う時に拮抗筋の働きが極端に弱くなります。これは上腕三頭筋がいつも働かないという状態ではなく、拮抗筋として使えないだけです。上腕三頭筋を主動筋とすることはできますが、その時は上腕二頭筋が働かなくなります。

このような筋肉のコントロールの特徴があるとバランスや上肢の巧緻性に困難が生じます。意図していない運動が生じる不随意運動と同時に意図した運動の際におこる独得の困難さが起きていることを知っておいてください。

これらを改善したり、使いやすい状態を見つける時には関節中間位での体重の負荷刺激を利用して同時収縮を促すことがあります。ジスキネティック型(アテトーゼ型)脳性麻痺の子どもは体重負荷に伴う姿勢安定の経験が不足しやすいです。

こどもリハかわせみ



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