大人にもある姿勢反射様の姿勢 運動発達と脳障害
赤ちゃんの非対称性緊張性頸反射様姿勢
(乳児を仰向きに寝かせて首を一方に向けると
顔面側の上下肢が進展し、後頭側が屈曲する反応)
弓道
前回のブログで緊張性の姿勢反射に影響された姿勢は誰でも赤ちゃんの頃は見られると言いました。でも実は大人でも弓道の写真のように顔面側の手を強く伸展させたい時には非対称性緊張性頸反射と似たような姿勢が現れます。
乳児の場合は仰向けに寝ているときに首の方向を変えると非対称性緊張性頸部反射が出現します。大人になると乳児と同じ刺激では出現しません。しかし、大人でもより必要性が高い時には非対称性緊張性頸反射ような姿勢が現れます。
私たちは様々な運動のパターンを脳の中に持っています。幼い頃は運動パターンは決まりきった使い方しかできません。しかし、脳の神経ネットワークが発達すると状況に合わせて様々な運動パターンを柔軟に出現させることができるようになります。これは運動発達の一つの方向性です。いつでも同じ運動ではなく、状況に合わせて適当な運動を選べるようになるのが運動発達の一側面です。
脳に何らかの異変があり運動障害が生じた場合にも運動パターンの柔軟な調整がしにくくなります。回復していくと又運動パターンが多様に変化できるようになる傾向があります。運動発達と運動障害回復は似たようなところがあります。
発達が著しい乳幼児期には障害の有無や程度が判断しにくいのはこのような事も影響しています。
障害と正常は全く別物ではなく、連続性の中にあり、程度の差と考えることもできます。
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