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コーナー椅子 座位保持 適応がある子もいる

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  コーナーに座る椅子というのがあります。 最近はあまり日本では見なくなりましたが、インターネットで「disabled children chair]で検索をすると似たような椅子に座っている子どもの画像がみられます。(昔は日本でもよく見ました。) ポイントは両肩の外側に壁があってそれ以上横に身体がずれないようになっている事です。お部屋の角を利用しても同じような状況が作れます。膝裏の下腿子どもの場合は床座ではんく、少し高さをつけて膝を曲げると楽に座れます。 どんな子供でも使えるというわけではありません。介助すればいい姿勢で背中を伸ばして座れるけれでも、なぜかグラグラして一人ですわれない子どもに対して使います。練習として座る姿勢を経験させるために短時間使うといいかもしれないと思っています。 適応の条件 ①麻痺がないか、かなり軽度 ②抗重力活動はそこそこできる ③身体の状態に対する感覚情報がうまくはいらず、姿勢保持が難しい 麻痺が強いと身体の位置関係を整える部品が必要なのであまり適さないのかなと思います。 身体の位置が感じ取れない子どもというのは身体が前後左右に動いてしまいます。そのため壁やテーブル等自分の身体の外側に位置を感じ取る手がかりがあると座れる子どもがいます。 短時間の使用なので部屋のコーナーや段ボールで作ったテーブルを利用してもいいかなと思います。 こどもリハかわせみ

運動発達⑦ 乳児の姿勢 歩行の変化

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歩き始め 少し安定した歩行 1歳前後で歩き始めた時と移動の大部分が歩行になってきた時期は歩き方に変化があります。 歩き始めは上肢は高く上げてハイガードと言われる位置にあります。体幹のねじれは少なく、足幅は左右に広くワイドベースになります。 歩きが上手になってくると上肢がミドルガードからローガードへと低い位置になります。体幹のねじれ(回旋)の動きがでてきて、左右の足幅も狭くなってきます。 筋肉の活動を筋電図でみると、歩き始めの時は多くの筋肉が強く収縮しています、歩きが上手になってくると適度な筋肉の活動になり、余分な筋肉の収縮が減少してきます。 姿勢や筋肉の収縮状態が変化する原因は歩行における姿勢コントロールの発達にあります。脳の活動が発達したからとも言えます。 人の歩行は動歩行といって重心位置を片側の足の前方に出して少し前に倒れながら反対の足を素早く前方に出して倒れないようにすることを繰り返して進みます。前に倒れるけれども完全には倒れ切らない状態を学習する過程で、最初は手を高く上げて直ぐに重心を後ろに戻せる準備をしているとも考えられます。筋肉も安定した姿勢を求める時は過剰に力が入ります。 歩行開始時の脳の神経ネットワークの発達とは、過剰な安定性の筋肉の活動を抑える働きができるようになるということです。 動歩行:重心を支持基底面から外に出して歩行する 静歩行:重心を支持基底面内にとどめて歩行する こどもリハかわせみ

運動発達⑥ 乳児の姿勢 寝返りの変化

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3ヶ月の寝返り 3ヶ月位の子どもも寝返りをすることがあります。 でも腕が上体の下に挟まってなかなか引き出せなかったり、うつ伏せから仰向けにもどれなかったりして、自由に寝返りをしている感じではありません。 6ヶ月の寝返り 月齢6ヶ月位の子どもの寝返りかなりスピードがあるしスムーズになってきます。なぜでしょう。 理由の一つは6ヶ月位になると腰椎や骨盤といった下部体幹と言われる部分の抗重力活動が可能になってくることがあります。 6ヶ月の子どものよくやる姿勢 絵の様に仰向けで脚を高く上げることができると支える面が狭くなり、重心も高くなるので少し重心を一側に傾けただけで横向きになりやすくなります。うつ伏せで床から胸が挙げられると胸の下にあった腕が抜きやすくなります。 もう一つの理由は運動学習がされてきたということです。寝返りは屈曲運動と伸展運動の組み合わせと言われますが、何回も寝返りを経験して屈曲運動と伸展運動の組み合わせのタイミングがよくなるとスムースに寝返りができるようなります。 乳児期に寝返りの様子が変化しいくこととその理由の一旦がわかっていただければ嬉しいです。 *記載している月齢はあくまでも参考です。 こどもリハかわせみ  

運動発達⑤ 乳児の姿勢 つかまり立ちの変化

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 つかまり立ちの姿勢も月齢で変化します。 姿勢の変化をみてみると ①テーブルにお腹をつけて手にも体重がかかっているつかまり立ち。脚は体重を支えるので精いっぱいです。 ②直立位で体重をほとんど足に乗せたつかまり立ちになります。手は伸ばせる範囲が広がります。状態を起こすと後方に倒れやすくなるので手は自分の位置を確認する役割も果たしています。 ③体幹をねじりながら(体軸内回旋)後方へもリーチができまるようになります。 抗重力コントロールの変化でみてみると ①広い支持基底面で立っていて、重力に抗して姿勢保持をするのに精いっぱいの状態です。 ②狭い支持基底面の中で重心がコントロールできるようになります。 ③姿勢と重心が自分でコントロールできると自然に余分な力は入らなくなります。結果としてつたい歩きや遠方への手伸ばしといった目的をより成功することができます。 立位姿勢は後方に倒れることが一番危険ですが、その危険に近いところで転倒せずにコントロールできることは歩行獲得へつながると思います。 こどもリハかわせみ

運動発達④ 乳児の姿勢 座位の変化

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  5ヶ月 6ヶ月 7ヶ月 10ヶ月 座位姿勢は月齢によって変化していきます。 5ヶ月では手で支えて座位を保持します。 6ヶ月になると手が支えから解放されます。 7ヶ月になると座位で自由に手が使えるようになってきます。体幹をねじって後方のものを見ることもできます。 10ヶ月になると色々な脚の形ですわっています。 *月齢はあくまでも目安で個人差があります。 座位姿勢発達のポイント ①前のめりにならずに座った姿勢が保持できる ②上肢が支持から解放されて自由に使えるようになる ③体幹の側屈や回旋の動きが可能になる ④脚の位置を色々にかえても安定して座っていられるようになる こどもリハかわせみ

運動発達③ 乳児の姿勢 生後6か月

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生後6カ月になると頭部・体幹の抗重力コントロールが発達して、骨盤帯まで及びます。 背臥位では骨盤を抗重力方向に後傾させることができます。そのため手で足もったり、足を口にもってくることもできるようになりディイメージが高まります。 腹臥位では肘を伸ばして掌で支えることができるようになります。体幹の抗重力活動がさらに高まりをみせます。同時に肩甲帯や骨盤帯も安定できるようになるので肩関節屈曲や股関節の伸展方向の動きが多くみられようになってきます。 ひとりで座れるようになってくるのもこの時期です。背臥位で足をもった姿勢を90度おこすと座る姿勢になります。 こどもリハかわせみ  

運動発達② 乳児の姿勢 生後3カ月 正中位指向

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  生後3カ月の赤ちゃんの姿勢の特徴の一つに「正中位指向」ということがあります。「正中位」という言葉は真ん中という意味です。「指向」というのはある方向に向かうということです。英語では「Midline orientation」といいます。 新生児の頃に比べて3カ月の赤ちゃんは目が覚めていている時に頭が真ん中にあることが増えてきます。上肢・下肢も真ん中に向かう運動が見られることが多くなります。もちろん興味があるものが右側にあれば頭や手がそちら向かっていきますが、興味が去れば真ん中に近いところに頭や手足が向かっていく傾向がでてきます。 このような姿勢が多くなるのは、重力と身体の位置関係を視覚や触覚や固有感覚でとらえて無意識に姿勢を調整するという神経系の働きが発達したことを意味しています。別の言葉でいうと「感覚統合が発達した」「神経ネットワークが発達した」ということになります。 このような姿勢をとっている時の筋肉の活動は、頸部や上部体幹の伸筋群・屈筋群の両側性同時収縮や肩甲帯周囲筋の同時収縮がみられるようになります。自分の身体に興味を持ち、手と手を合わせたり、指をしゃぶるようなことも増えてきます。外界の興味のあるものを目で追う、手で触ろうとするなども増えてきます。 こどもリハかわせみ

運動発達① 乳児の姿勢 新生児期 

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月齢ごとに乳児の姿勢を細かく観察していくと発達に伴う筋活動の変化が理解できます。それは運動に障害がある子どもの筋活動にも共通することが多くあります。 生まれてすぐの赤ちゃんはまだ頭部や体幹を抗重力的にコントロールする能力が不十分です。安定して重力に抗して頭部をコントロールするためには首の前後左右の筋肉や肩の周りや胸郭にある筋肉を同時に活動させることが必要になります。首の座っていない新生児ではそれらの筋肉がまだ十分に使えていないので頭 部回旋・頚部軽度伸展・肩甲帯挙上・ 肋骨挙上位の姿勢が特徴的です。そして運動に障害をもったこ子どもにもよく似た頸部や体幹の姿勢をみることがあります。 下図のような沢山の筋肉(お腹側にも沢山の筋肉がある)が、同時に使えてくると重い頭を空間でコントロールできるようになってきます。 筋肉がより多く共同して使えるようになるためには神経ネットワークの発達が必要です。 こどもリハかわせみ