運動発達③ 乳児の姿勢 生後6か月 リンクを取得 Facebook Twitter Pinterest メール 他のアプリ 1月 12, 2022 生後6カ月になると頭部・体幹の抗重力コントロールが発達して、骨盤帯まで及びます。背臥位では骨盤を抗重力方向に後傾させることができます。そのため手で足もったり、足を口にもってくることもできるようになりディイメージが高まります。腹臥位では肘を伸ばして掌で支えることができるようになります。体幹の抗重力活動がさらに高まりをみせます。同時に肩甲帯や骨盤帯も安定できるようになるので肩関節屈曲や股関節の伸展方向の動きが多くみられようになってきます。ひとりで座れるようになってくるのもこの時期です。背臥位で足をもった姿勢を90度おこすと座る姿勢になります。こどもリハかわせみ リンクを取得 Facebook Twitter Pinterest メール 他のアプリ コメント
脳性麻痺 痙直型両麻痺 4月 03, 2021 脳性麻痺(痙直型両麻痺)を持つ子どもは下部体幹から下肢にかけて麻痺症状が強い子どもです。 頭部・上肢・上部体幹の麻痺は比較的軽度なので、車いすで移動したり、杖歩行や両足に装具を付けての歩行が可能になる子どももいます。 体幹運動パターンには発達順に伸展・屈曲・側屈・回旋がありますが、両麻痺児の体幹部は低緊張で筋肉の働き不十分で抗重力活動が弱く運動パターンも減少している場合が多く観察されます。下肢は痙性で関節の運動性が乏しく、運動パターンも限られています。歩行能力が高い子どもは体幹部から股関節の運動能力が高い場合が多いようです。足関節・足部の運動性の欠如や変形拘縮は軽度~重度まで多くの子どもに観察されます。 治療は低年齢では運動療法と装具療法を行い、幼児期後期で下肢の過緊張が強い場合にはボトックス、選択的後根離断術、整形外科手術などの過緊張コントロールの治療を併用します。子どもの将来の移動能力を最大限に引き出すためには多機関連携やチームアプローチが重要と考えられます。 理学療法プログラムの中では、下肢のコントロールと体幹部の抗重力コントロールを同時に改善するようなプログラムとストレッチや筋力強化を組み合わせて行っている場合が多いと思います。 理学療法士から見ると下肢コントロールが変われば座位や立位での支持基底面が変わりその結果体幹コントロールのバリエーションが増しきます。逆に体幹コントロールが改善されたことによって下肢の運動パターンが増える場合もあります。体幹運動パターンの発達は生後の抗重力運動の経験の質に影響されるます。二次的な発達障害をおこさないようにすることは理学療法士の重要な役割の一つであると思っています。 続きを読む
つま先歩き(尖足歩行) 1月 09, 2021 脳性麻痺や発達障害を持つ子どもの一部につま先歩き(尖足歩行)をする子がいます. そういう子どもは無意識で歩くとつま先歩きになってしまいます。「その歩き方はダメ」と注意しても子供は傷つくだけです。もし、別の歩きを教えたければ子どもが踵をついて歩いている時に「その歩き方がいい」と褒めてあげる方がいいでしょう。しかし、ゆっくりと意識すれば踵をついた歩きができるというレベルの子どもは常に踵をついて歩くことは中々できません。それは左右の片脚立ちをゆっくりと交互に行っているような状態だからです。私たちの歩行はセントラルパターンジェネレーター(CPG)という脳の部位を使った無意識運動が大部分になります。 つま先歩きの原因は運動の麻痺の有無や程度・タイプなどによって様々です。 状況に応じて改善方法も様々となります。運動療法、装具療法、薬物療法、手術療法をその子どもによって組み合わせて実施することになります。専門家に相談されることをお勧めします。 参考メモ 意識的運動と無意識の運動 歩くという運動の中で意識的な部分は「歩行の開始、終了、水溜まりなどを見つけて避ける時」などです。いったん開始された歩行を障害物のない環境で継続する時は無意識の運動になります。歩行に関していえば、大部分の動きが無意識に行われます。このことにより話しながら歩いたり、考えながら歩くようなことが可能になります。(二重課題) 脳との関係では意識的な部分は大脳皮質が関与し、無意識の運動では脳幹や脊髄の中にあるセントラルパターンジェネレーター(CPG)の働きが中心になります。 続きを読む
脳性麻痺児の理学療法 アテトーゼ型 ヒョレア 1月 16, 2021 脳性麻痺を持った子どもと言ってもその状態像はかなり多様です。そのため理学療法プログラムを決定していく時には現在年齢、粗大運動能力分類システム(GMFCS)*による粗大運動の予後予測と共に麻痺のタイプと分布を考慮して大枠の分類を考えながら行っていきます。 今日は麻痺のタイプの一つであるアテトーゼ型の中のヒョレア型についてお話します。アテトーゼ型の障害は脳の大脳基底核システムの損傷に由来するとされています。運動の症状としては安定性の障害といわれれます。 筋肉の緊張は低めなので柔らかく、無意識で関節運動が生じたりします。そのため中間位で関節運動を止めておくことができません。 関節運動が中間位でとめられないとどういうことがおきるでしょうか。例えば立位における下肢を考えてみましょう。股関節が屈曲伸展の中間位で体重を支えている状態が一番安定しています。足関節も90度くらいの角度で一番安定します。このような配置をすると立位が安定していることを脳は関節や筋肉からの固有感覚情報と視覚・前庭感覚を統合することで記憶していきます。そのような記憶の事を身体図式と呼びます。 このような身体図式が獲得されていくのは生後です。もし、生後すぐに股関節の周囲の筋肉に不随意運動があったり、股関節を曲げる筋肉と伸ばす筋肉を同時に収縮させることができない子どもさんは立位の身体図式の獲得に問題が生じます。 理学療法士はその子の生活上立位姿勢の獲得が可能であると思えば、良い下肢の配置の中で体重を付加し、その際に生じる多種の感覚を刺激して身体図式を学習させる方法をいくつか知っています。 例えば上肢に麻痺が少なければ上肢をテーブルに支持させながら直立位をとらせたり、下肢の関節に圧迫刺激を加えたり、様々な装具を使用したりするなどの工夫があります。 *粗大運動能力システム(GMFCS)について詳しく知りたい方はインターネット検索をかけてみてください。すぐでてきます。 続きを読む
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