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どっちがいいかわからない子ども、選べないのはなぜ?(運動発達の視点から原因を解説)

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「座ってやる?立ってやる?」「右手?左手?」こう聞いたときに、 ・固まってしまう ・毎回バラバラに選ぶ ・「どっちでもいい」と答える そんな子はいませんか? 実はこれ、 やる気や性格の問題ではなく、“運動発達の課題”で説明できることが多い です。 結論 このタイプの子は  “やりやすさを感じる力”が弱い状態 です。 ① 身体の感覚(ボディスキーマ)が弱い 自分の体が・どの位置にあるか・どう動いているかがあいまいだと、  やりやすい姿勢がわからない。 ② 結果のフィードバックが弱い 普通は「うまくいった=やりやすい」と学習していきますが、この子たちは 成功・失敗の差が感じにくい。つまり 「どれが良かったか記録されない」状態です ③ 内部モデル(予測する力)が弱い 「こう動けばうまくいく」という予測が弱いと 試す前から選ぶことができない。結果として ・毎回やり方が変わる・選択が不安定になる 現場でよくある特徴 ・「これでいい?」とすぐ聞く ・動きが毎回変わる ・課題に入るまで時間がかかる ・成功しても再現できない 支援のポイント ① “選ばせる”より“体験させる” いきなり選択させるのではなく  両方やらせて違いを体で感じさせる 例:・座って投げる → 立って投げる・右手 → 左手 ② 成功を強調する 「今のいいね!」では弱いです 何 が良かったか具体化する 例:・「今の立った方が遠くまで飛んだね」・「右手の方がまっすぐいったね」 ③ “やりやすさ”を言語化する 感覚を言葉に変えることで定着します 例:・「こっちの方がやりやすいね」・「楽だったね」 ④ 条件を固定する 毎回条件が変わると比較できません  同じ条件で繰り返すことが重要 ⑤ 小さな成功を積み重ねる 成功 → 記憶 → 再現このループを作ることが目的です 簡単にできる運動遊び ・投げ分けゲーム 右手と左手で投げて どっちが遠いか比べる ・姿勢チェンジジャンプ 座る→立つでジャンプ  高さの違いを体感 ・バランス比べ 両足→片足  安定感の違いを感じる まとめ 「どっちがやりやすいかわからない子」は 感覚が鈍いわけでも...

「自信がある」は感情でしょうか?

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 「自信がある」は感情でしょうか? 結論から言えば「自信がある」は 感情だけ ではありません。 「自信がある」は 認知であり、感情であり、身体 です。 認知面ではその状況下で「○○できる」と考えていることです。 感情面では「落ち着いていながらも、ワクワクしている」ことです。 身体面では「どうすればいいかを知っていてそのように行動(運動)できることです。」 この3つが混在している状態を「自信がある」状態といいます。 ちなみに「自信」は状態なので一人の子どもの中で状況によって変化しやすいものです。いつも「自信のある」子はいなくて状況によって自信ががあったり・なかったりします。 状態に対して特性という言葉もあります。「「社交的」な子、「内向的」な子などは性格特性なので状態に比べると変化しにくい性質を持っています。 「自信がある」は特性というよりも状態なので比較的変化させやすいです。 環境を変えて成功させ・言語化することでその子なりの 自信をつけることができます。 。 こどもリハかわせみ

理学療法士の目的は子どもに自信をつけること?

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 DCD(発達性協調運動障害)の子どもでは高頻度で自信の低下がみられると言われています。自信の低下は運動活動だけにとどまらず全体の活動参加にも影響があると言われています。DCDの子どもに理学療法士が関わる時の目的とは何なのでしょうか。子どもの運動が上手になることでしょうか。確かにそうかもしれません。でも、もう少し細かくみてみましょう。 運動ができるためには3つのポイントがあります。 ①予測性 「こうすればできるはず」がわかることです。自分から運動を始める時に課題解決が出来そうと思えることはとても大事になります。 ②コントロール性 「自分で調整できる」ことです。運動課題に対して自分で試行錯誤してできていくことは運動の学習にとても大切です。 ③再現性 「もう一回やってもできる」ことです。偶然できたもとても大切ですが、それだけでは十分ではありません。 ある運動課題において自分の脳が対応できるようになっている時、同時にその子の心理面からみると自信があるという状態といえます。自信はいいかえると「未来の自分の行動が、ある程度うまくいくと“身体でわかっている感覚”」です。 そのため、「運動が上手⇔自信がある」は実はとても近いところにあります。ですから、小児領域の理学療法士がDCDのある子どもに対応する時は現象面では何らかの運動ができるようにするという目的をもっているかもしれませんが、それは子どもの心理面では自信をつけることを目指していると言ってもいいと思います。 こどもリハかわせみ

身体への気づきの発達

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 身体への気づきの発達は連続して目的を持った行動へとつながっていきます。 ①最初は 身体の感覚 に気づきます。感覚と言うのは触覚・固有感覚・前庭感覚などです。身体に関係する感覚が入ってくることに気づきます。 ②次に 身体の動き に気づきます。身体を動かすと脳の中の感覚情報が変化するので情報が多く入り、赤ちゃんはこれを喜びます。視覚や聴覚もはいってくることでよりさらに自分の身体に気づきが深まります。 ③さらに、 身体が動くと外界に変化がおこる事 に気づきはじめます。繰り返し物を落とした利することを繰り返すので運動と外界変化の関係に気づいて予測ができてきます。運動内部(順)モデルのできはじめです。 ④外部の変化を目的にして運動をおこせるようになると運動内部(逆)モデルのできはじめです。予測がさらに上手になります。 人の身体は環境への働きかけの道具です。それは生まれてすぐには使えていません。発達とともに使えるようになってきます。 こどもリハかわせみ

DCD(発達性協調運動障害)のある子の脳は

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 脳は「できた」を捉えるといいます。脳が「できた」と感じるのは自分の予測と結果の誤差が少ない時です。DCDの子どもは運動面で予測と結果の誤差が大きくなりすぎます。例えば縄跳びをしようとした時に縄に引っかかった時に本人はなんとかしようとしますが運動としての解決方法がみつかりません。 あまり失敗が続いてしまうと脳の偏桃体という感情をつかさどる場所が危険信号をだしはじめます。そのうち思考を担当する前頭前野の活動が低下して解決方法を考えられなくなります。そして、心理的な防御反応がおきます。自律神経が過剰に働きだします。防御反応と言われるものです。結果として先生や親御さんに縄跳びをやってみようと言われるだけで攻撃的になったり、逃げたり、固まったりしてしまいます。 運動面で予測と結果の誤差が小さければ修正したり、学習したりができ自信につながります。そこで先生は手と足の課題をわけて練習したり、ゆっくりとやらしてみたり、小さな成功をつくり、ほめることで学習を促すわけですが、防御反応がでていれば一旦縄跳びから距離を置くことも一つの正しい解決方法だとおもいます。 こどもリハかわせみ

お子さんの落ち着きに役立つ運動

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こどもリハかわせみ

DCDのある子は運動で疲れやすい

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こどもリハかわせみ  

DCD(発達性協調運動症)のある子どもへの声かけ

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両足ジャンプができない子

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DCDのこどもがころびやすい理由

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DCD(発達性協調運動症)

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  こどもリハかわせみ

姿勢を正すのは簡単でない理由

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こどもリハかわせみ  

子供との付き合い方

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 子どもとの付き合い方のコツとして昔から言われていることに「子どもに合わせる」「成長を待つ」があります。数十年前に私が受けた研修講師の先生は「子どもに合わせる」のが「愛」で、「成長を待つ」のが「信頼」という表現をされていました。 実際に「子どもに合わせる」で一番難しいのは子どもと仲良くなることではなく(仲良くしなくていいということではなくて)、失敗をどう許容するかという事だと思います。大人からみれば子どもの失敗は事前に推測できるのでどうしても失敗させないようにしたいと思う気持ちが生じます。しかし、もし大人が手をだそうとすると「やめて」と拒否されることになります。子どもは自分で選びたいのです。 自分で選ぶことは人にとって大切なことだと思います。その子の成長のエネルギ―になります。大人にとって小さなマイナスに目をつぶり、本人に任せることはなかなか難しいことですね。 もちろん、やりたいようにさせるが愛情ではないでしょう。大きな危険は避けなければいけません。これは成長の糧になる小さな失敗なのか、立ち直れなくなる大きな失敗なのか、数年先にどんな影響がでるのか、わからないことが多く大人は悩むばかりです。 正解はないかもしれませんが悩むことは悪い事ではありません。悩みに耐えられるのが大人だと思います。 こどもリハかわせみ

目と手の活動と頭のコントロール

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 物のあり様や人のあり様を知ることは人にとって大切な勉強になると思います。人が最初に物や人あり様を知るときには見て・触れて・動かして確認します。目や手の活動や移動が大切になります。その背景には頭部体幹の安定も大切になります。 目の活動と頭部体幹の安定の関係を考えてみましょう。目は頭部についているので首がすわらないと安定して物を見ることができません。写真を撮る時に携帯を動かさないのと同じことです。携帯は腕を安定させることで固定します。 私達は地球の重力の影響を常に受けているので、安定させるというのは重力に対して保持できる必要があります。そして保持しながらスムースに色々なところに顔をむけられないといけません。 筋肉の面から考えてみましょう。頭は首の周りの筋肉を上手く使って安定させます。上手く使うとはどういうことでしょうか。首の前後左右の筋肉を同時に力をいれると頭が前を向いて固定されます。固定したままでは様々な方向を向くことができません。前後左右の筋肉の収縮を微妙に変えることで顔は色々な方向を向くことができます。 脳性麻痺などで首の安定は不十分なお子様には座位保持装置などで頭を安定させることで、より見ることが楽にできるようなります。 こどもリハかわせみ

ブランコをこぐ

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 ブランコの乗り方も発達します。 最初はつかまって乗っていられる段階です。大人が押してあげることで揺れる事ができます。 次は後ろに自分で下がって足を離すことで勢いをつけることを覚えます。 もっと上手になると揺れの位置と自分の姿勢の関係を使って勢いをつけることを覚えます。 例えば一番前にいった時に頭を前にだしたり、足を前に伸ばしたりすると重心の位置がより前方になり揺れの運動を強くすることができます。後ろにいった時はその逆に重心を後方下げると勢いがつきます。 ブランコが一番高い所に来たら重心を下げて(しゃがむ)・一番低い所に来た時に重心をあげる(立つ)ことでもブランコの揺れを大きくすることができます。 こどもリハかわせみ

バランス①

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人のバランスは姿勢の安定に関連する言葉です。ただバランスは姿勢が動かないようにコントロールすることが最終目的というわけでもありません。ある程度動きながらも転ばない状態の方が生活の中ではより便利な事が多くあります。一番特徴的なのは歩行でしょう。歩行は不安定と安定を繰り返すことで移動しています。完全に安定してしまっては足が前にでません。又、立位に比べると坐位は安定していますが、書字や食具操作の際には微妙に体幹が動いた方が上手に道具を操作できます。人のバランスとは安定と不安定の間のコントロールが自在にできるようになることと考えられます。止まる事と動く事が自由にできると言ってもいいかもしれません。 姿勢の発達は色々な面から考えることができます。生まれてから1歳までの姿勢の変化をみてみると寝ている状態から直立2足歩行にまで変化します。重心バランスは姿勢の安定に関連する言葉です。ただバランスは姿勢が動かないようにコントロールすることが最終目的というわけでもありません。ある程度動けながらも転ばない状態の方をつくれることが生活の中ではより便利です。 一番特徴的なのは歩行でしょう。歩行は不安定と安定を繰り返すことで移動しています。完全に安定してしまっては足が前にでません。又、立位に比べると坐位は安定していますが、書字や食具操作の際には微妙に体幹が動いた方が上手に道具を操作できます。人のバランスは安定と不安定の間のコントロールが自在にできるようになることと考えられます。止まる事と動く事が自由にできると言ってもいいかもしれません。 姿勢の発達は色々な面から考えることができます。生まれてから1歳までの姿勢の変化をみてみると寝ている状態から直立2足歩行にまで変化します。重心(重さの中心)はだんだん高くなります。支えている面の面積は体全体から足の裏へと変化するのでだんだん狭くなってきます。 坐位・四つ這い・立位と赤ちゃんはそれぞれの時期によってとることができる姿勢が増えてきます。例えば一人で立ち始めた時の赤ちゃんは身体に力をいれてあまり形が変化しないようにして立っています。そのうち転ばずに色々な関節に少しずつ動きを許すことができるようになってきて歩けるようになります。歩く前には立った姿勢を保てること、床から一人で立ち上がること、そして何回も転んだり起きたりを繰り返すことが必要となります。赤ちゃ...