子どものリハビリと前頭前野


一般に前頭前野(赤いところ)は外側部・内側部・眼窩部の3つの部位にわけられます。

外側部はワーキングメモリー、反応抑制、行動の切り替え、プランニング、推論などの機能を担っています。

内側部は社会的行動、葛藤の解決、報酬に基づく選択などに関係します。

眼窩部は情動、動機付け、意思決定に関与します。

健常の子どもの場合でも新生児の時期には前頭前野は機能していません。生後8か月くらいから機能し始めると言われています。前頭前野の成熟には生後かなり時間がかかります。シナプス密度が最大になるのが7歳、髄鞘形成は20代中ごろまで続くそうです。

子どもの脳の成熟が幼い段階では行動や情動の抑制が困難であると考えられます。成人の前頭葉障害と似ています。

例えばリハビリの場面で子供のバランス能力をたかめようと平均台のような課題を与えたとします。その子どもは全く興味を示さないか、最初だけ平均台にのってもすぐにやめようとしてします。この理由として何が考えられるでしょうか。

①平均台を渡りきるというイメージがもてない

②反射的なバランス能力が低下している

③平均台と自分の身体の状態を意識し続けるという注意の持続が難しい

④その他(体調が悪い、機嫌が悪い、覚醒が低い、覚醒が高い、感覚調整の問題etc.)

複数の原因が考えられますし、原因は単一ではないかもしれません。①③は前頭前野の機能と関係していると思われます。

その子に良かれと思って遊びや練習に誘ってもうまくいかない時は、なぜうまくいかないのかを考えることが必要と思わます。



コメント

このブログの人気の投稿

つま先歩き(尖足歩行)

F-word (障害児の生活機能把握の考え方)

運動発達② 乳児の姿勢 生後3カ月 正中位指向