脳室周囲白質軟化症による脳性麻痺痙直型両麻痺の乳幼児期の理学療法



 
 
早産・低出生体重児に伴う神経学的障害の一つに脳室周囲白質軟化症があります。早産・低出生体重児の脳血管が未熟なために起こりやすい脳の深い部位の脳虚血障害で、錐体路という運動に関連する神経伝導路の近くで起こるために脳性麻痺の原因となることがあります。

脳性麻痺が生じた場合、下肢や体幹に麻痺が出ることが多くあります。また満期産児に比べて子宮内での自発運動や体性感覚経験の減少やそれに伴う神経経路の未成熟が生じやすいことからくる発達の問題も同時に抱えていることがあります。

運動面では下肢の麻痺、強い体幹の低緊張が同時に生じます。その他いろいろな合併症に気を付けながらPTは運動発達を促す支援をしていきます。

このような子どもの中には一人でつかまって立ったり、伝い歩きがはじまると下肢のツッパリがより一層目立ってくる子どもが多いので注意が必要です。

私たちがスキーやローラースケートを初めてやった時には下肢に力が入り過ぎて、うまくコントロールできない現象が生じますが、体幹の低緊張が強い子どもには似たような現象が伝い歩きでもおこるのだと思われます。

このような子どもの立位練習で理学療法士は、どんどんつたい歩きさせるだけでなく、時には子どもの動きを少し制限してしっかりと両足で立つような練習を多めにするようにします。
しっかりと両足で立って少しだけの重心移動を根気よく経験させると体幹の筋肉が働いてくることが多いからです。

お母さんには「子どもが自分から伝い歩きをしたりするのを止める必要はありませんが、親御さんがついていられる時は両足でしっかり立ってその場で遊ぶような機会をつくるといいですよ。」とお伝えすることがあります。その時は足の指が曲がったり、踵が浮かないように気を付けてもらいます。










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