「やる気がない」んじゃない!発達障害の子が直面する「脳の司令塔」のトラブルとは?


はじめに

「何度も同じことを言っているのに動いてくれない」 「『宿題しなさい』と言っても、何から手をつけていいか分からない様子でフリーズしてしまう」

こんな様子を見て、「やる気がないのかな」「わざと困らせているのかな」と感じたことはありませんか?

実はこれ、子どもの性格ややる気の問題ではなく、脳の「実行機能(じっこうきのう)」という働きがうまくいっていないのかもしれないんです。

実行機能=脳の中の「司令塔」

「実行機能」とは、目標に向かって自分の行動や気持ちをコントロールする脳の司令塔(コックピット)のような役割のこと。

大人は無意識にこの司令塔を使っていますが、発達障害(ADHDや自閉スペクトラム症など)のあるお子さんは、この司令塔がうまく機能しない「実行機能障害」を抱えていることがあります。

具体的には、次のような3つのパワーが弱くなっている状態です。

  • 段取りを組むパワー(計画・実行)

    • 日常の困りごと: 宿題や片付けの手順が分からずフリーズする/締め切りギリギリになる

  • 誘惑や気持ちを抑えるパワー(抑制)

    • 日常の困りごと: 途中でスマホやゲームの誘惑に負ける/怒りの感情を抑えられない

  • 頭の中のメモ帳を使うパワー(ワーキングメモリ・切り替え)

    • 日常の困りごと: 「服を脱いで、洗濯かごに入れてお風呂に入って」と複数言われると忘れる/急な予定変更でパニックになる

「サボり」や「わがまま」ではありません

周りからは「だらしない」「怠けている」に見えてしまいがちですが、本人にとっては「やりたくても脳の処理が追いつかず、どうしていいか分からない」という状態です。

「頑張り不足」ではないので、叱って無理にやらせようとしても、お互いに疲弊してしまいます。

周りの大人ができる「脳の助け船」

脳の司令塔がうまく働かないなら、「外側にわかりやすい仕組み」を作ってあげるのが効果的です。

  • 指示は1回に1つ&具体的に

    • ×「早く片付けなさい」

    • ○「まず、床の本を本棚に戻そう」

  • 目で見える化する

    • 頭の中のメモ帳(ワーキングメモリ)に頼らず、やることをイラストやチェックリストにして貼り出す。

  • タイマーで時間を「見える化」する

    • あと何分で終わるのか、切り替えのタイミングを時間で見えるようにする。

まとめ

子どもがフリーズしていたり、我慢できなかったりするときは、「脳の司令塔がSOSを出しているんだな」と視点を変えてみてください。

「気合や根性」で乗り越えさせるのではなく、「どうすればスムーズに動ける仕組みが作れるか」を一緒に考えてサポートしていきたいですね。


 

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