ダウン症とASD(自閉スペクトラム症)の併存を知る:二重診断とその子らしい支援
1. はじめに ダウン症と診断を受けて療育を受けてきたが、どうも他のダウン症の子どもと発達の様子が違うと感じられるご家族がおられるかもしません。「二重診断(Dual Diagnosis)」と言う言葉をご存知でしょうか。ダウン症のある子どもでASD(自閉症スぺクラム症)の診断が併存ている子はダウン症児の約10~18%にいらっしゃると言われています。決してまれな ことではありません。 2. ダウン症+ASDで見られる「具体的な行動」 併存の子どもにみられる具体的な発達特徴をあげてみます。 コミュニケーション: 目が合いにくい、指差しが出にくい、一人遊びを好む。 こだわり: 物を並べる、いつもと同じルート・手順に強くこだわる、変化へのパニック。 感覚: 特定の音(掃除機、泣き声など)を極端に嫌がる、逆に特定の刺激を繰り返し求める。 運動: 模倣(まねっこ)が苦手で、ダンスや手遊びに興味を示さないことがある。 3. なぜ「診断」が遅れやすいのか? 診断の隠蔽(Diagnostic Overshadowing): 「発達の遅れはすべてダウン症のせい」と思い込まれ、ASDの特性が見過ごされがちです。 早期に気づくことで、その子に合った「学び方」を提示できるメリットがります。 4. 今日からできる支援のヒント 支援の際は以下の様な事を意識すると良いです。」 「耳」より「目」で伝える: 言葉の指示を減らし、写真や絵カードを使ってスケジュールを見せる(視覚的支援)。 安心できる場所づくり: 刺激をカットした「落ち着けるコーナー」を作る。 「できた!」のハードルを下げる: ASDの特性があると、新しいことへの不安が強いため、ごく小さなステップから始める。 5. おわりに 他のダウン症児に比べてコミュニケーションが広がらない、歩行獲得が遅い、育てにくいなどがある時、「ダウン症だから」という枠に当てはめるのではなく、その子の「ASDという個性」も理解することで、育児のイライラが「対策」に変わるかもしれません。