「できない」が「伸びしろ」に変わる!子どもがラクになる『ダイナミックアセスメント』の視点


こんにちは!

日々、子どもたちのリハビリや発達支援に関わる中で、こんなモヤモヤを感じたことはありませんか?

  • 新人の小児理学療法士(PT)のあなたへ:
    「粗大運動の評価をとって点数は出たけれど、じゃあ明日からのアプローチで、具体的にどう関わればもっと本人の動きを引き出せるんだろう?」

  • 保護者のあなたへ:
    「うちの子、まだこれができないな…」「リハビリの評価の数字や、できないことばかりに目が向いて不安…」

ついつい、子どもの「できない部分」や「現在の獲得レベル」ばかりに目が向いてしまうこと、ありますよね。

でも、子どもの本当の力は、検査の点数だけでは測れません。今日は、そんなモヤモヤを吹き飛ばす、リハビリや日々の関わりがとっても楽しくなる考え方「ダイナミックアセスメント(動的評価)」をご紹介します。

この視点を持つと、今日から目の前の子どもの「動き」を見る目がガラリと変わりますよ!


📸 従来の評価は「写真」、ダイナミックアセスメントは「動画」

一般的な運動評価(静的評価)は、「いま、一人でどこまで動けるか」を測ります。いわば、その子の現在の運動機能をパシャリと切り取った「写真」です。写真に写っていない(その場で一人でできない)動きは、評価としては「できない」になってしまいます。

一方、今回ご紹介する「ダイナミックアセスメント(動的評価)」は違います。 つまずいたその瞬間から、「セラピストが少しハンドリング(徒手誘導)を足したり、環境を整えたり、声かけを変えたりしたら、どこまで動きが変化するか」を見ます。つまり、子どもが「お、動けた!」と変化していくプロセスを捉える「動画」の評価なのです。

💡 心理・教育学のプチ知識

これは心理学者レフ・ヴィゴツキーが提唱した**「発達の最近接領域(ZPD)」という概念がベースになっています。 「一人でできること」と「手伝ってもらえばできること」の間のゾーン、つまり「ちょっと手助けすれば届く、その子の伸びしろ」**のことです。ダイナミックアセスメントは、まさにこの「運動の伸びしろ」にスポットライトを当てます。


🔄 具体的にどうやるの?「リハビリでのキャッチボール」

やり方はとてもシンプルで、子どもと相互に反応を返しながら進めます。

  1. まずは、一人で動いてもらう(現状の確認)

  2. つまずいたり、崩れたりしたら、その場でサポートを入れる(介入・環境設定)

  3. もう一度、動いてもらう(変化の確認)

ここで一番大切なのは、「できないから合格・不合格」を決めることではなく、「どんなサポートを入れたときに、子どもの動きがスムーズになり、目が輝いたか」を観察することです。

例えば、幼児期の運動遊びやリハビリで、ストップ&ゴーのゲーム(だるまさんが転んだ、など)をしていて、いつも止まれずに動いてしまう(身体の抑制がきかない)子がいたとします。

  • ×「止まれないから、まだこの筋力やコントロールが足りない」とバツをつける(従来の視点)

  • ◯「『止まって』と言葉で伝えるより、床に足跡のマークを貼って視覚的に見せたら、ピタッと止まれた!」「止まる直前に骨盤を少し誘導してあげたら、自分でブレーキがかけられた!」(ダイナミックアセスメントの視点)

「できない」で終わらせず、「環境をこう整えて、ここにタッチしてあげたら、最後まで一人で動けた!=この子はこういうサポートがあれば、この動きができるんだ!」という『大正解のアプローチ』をその場で探していくのです。


🎯 今日からできる!視点の変え方

ダイナミックアセスメントの本質は、子どもに点数やラベルを貼ることではありません。「明日からのリハビリや声かけをどう変えれば、この子が一番輝くか」という、オーダーメイドの取扱説明書を作る作業です。

  • 新人小児PTのあなたへ
    評価シートの点数の裏側にある「セラピストの誘導への反応の良さ」や「環境設定による動きの変化」を泥臭く観察してみてください。それこそが、保護者の方や保育園・学校の先生が本当に求めている「明日からおうちや園でできる、具体的な関わり方のヒント」になります。

  • 保護者のあなたへ
    我が子の「できない動き」に出会ったときは、がっかりしなくて大丈夫です。「じゃあ、おうちではどんな風に手伝ったら、本人が『できた!』って喜ぶかな?」と、PTと一緒に宝探しをするように試してみてください。その「手伝ってもらえればできた!」という成功体験の積み重ねが、やがて「一人でできた!」という大きな自信と、新しい運動の獲得に繋がっていきます。

子どもの「いま」の限界ではなく、「あした」の可能性を、リハビリを通して一緒に信じていきましょう!


こどもリハかわせみ


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