【脳性麻痺】アテトーゼ型の特徴とリハビリの治療原則を分かりやすく解説!
こんにちは!今回は、脳性麻痺のタイプのひとつである「アテトーゼ型(不随意運動型)」について解説します。
「アテトーゼ型ってどんな特徴があるの?」「リハビリではどんなことに気をつければいい?」といった疑問を持つ方に向けて、臨床的な特徴から治療のポイントまで、ぎゅっとまとめてお届けします。
1. アテトーゼ型(不随意運動型)の最大の特徴とは?
アテトーゼ型のお子さんの最大の特徴は、「姿勢トーン(筋肉の張り具合)の絶え間ない動揺(Fluctuation)」にあります 。
筋肉の緊張が、ふにゃふにゃな状態(低緊張)からガチガチな状態(高緊張)まで、本人の意図とは関係なく急激かつ予測不能に変化してしまいます 。そのため、自分の意志に反して身体が動いてしまう「不随意運動」が起こるのです 。
運動の特性
姿勢を保つのが苦手: 筋肉が同時にバランスよく働くこと(同時収縮)が難しいため、重力に抗して姿勢をじっと安定させることが困難です 。
真ん中で止めるのが苦手: 動かせる範囲は非常に広いのですが、動きの途中の「ちょうどいい位置(中間位)」でコントロールすることができません 。
特有の動き: 足が踊るように動く「アテトーゼ・ダンシング」、手が羽ばたくように動く「フライング・ハンド」、首が急に後ろに伸びたりねじれたりする動きが見られます 。
反応はあるけれど…: 体のバランスを保つ「立ち直り反応」や「平衡反応」の機能は持っていますが、急な筋肉の緊張変化(緊張性スパズムなど)に邪魔されて、うまく働かないことが多いです 。
変形や拘縮(関節の固さ)
体が突っ張ったままになる「痙直型(けいちょくがた)」に比べると、普段からよく動いているため、一般的に関節が固くなったり(拘縮)変形したりすることは少ないとされています 。 ただし、非対称な姿勢が強く出る重度なタイプ(ディストニックタイプ)の場合は、背骨が曲がる「側弯」や「呼吸機能の低下」に注意が必要です 。
心理・知能面の特徴
とってもおしゃべりで外交的! 環境にも順応しやすい性格です 。
その反面、自分の思い通りに体が動かないため、情緒が不安定になったり、欲求不満(フラストレーション)を溜め込みやすかったりします 。
外見以上に内的な能力や知能が優れている場合が多く、自尊心(プライド)が高いのも特徴です 。
2. アテトーゼ型のリハビリ治療原則
アテトーゼ型のリハビリでは、「不随意運動をただ無理やり抑え込むこと」は目的ではありません 。 大切なのは、体の中心(中枢部)を安定させて、コントロールされた動きを学習していくことです 。
リハビリや日常生活では、以下のような原則に基づいてアプローチします。
① 体の軸(コア)を安定させる
体の軸を安定させるために、お腹の前側の筋肉(腹部前面筋群)と背中の筋肉(背面多裂筋)を活性化させ、体幹と骨盤をどっしりと安定させます 。
体重をかけたり(免荷の逆の負荷)、圧迫・圧縮を加えたりするテクニックを使って、持続的な姿勢の緊張を引き出します 。
② あえて「狭い範囲」でゆっくり動かす
アテトーゼ児は大きく動きすぎてしまうため、あえて運動の範囲を狭く限定します 。
その狭い範囲の中で、ゆっくりとした秩序のある運動を繰り返し、中間位でのコントロールを体に覚え込ませていきます 。
③ 左右対称の姿勢と「目」の活用
身体がねじれないよう、左右対称な姿勢を保つことを重視します 。
首や頭を安定させ、じっと見つめる「注視」や、動くものを追う「追視」を有効に使うことで、目の動きを介して頭部のコントロールを促します 。
④ 環境の工夫と心理的配慮
「リファレンス(支持点・参照枠)」を作る: 日常生活(ADL)では、テーブルに肘をついたり、便利な自助具を使ったりして「体を支える点」を作ってあげると、手の操作がグッと安定します 。
外部からの不必要な刺激や、お節介な外乱はできるだけ少なくして環境を整えます 。
何よりも、お子さんのやる気を引き出す「遊び」を通じた運動学習を取り入れ、本人の協力を得ながら楽しく進めることが大切です 。
まとめ:個別のアプローチが不可欠
アテトーゼ型のお子さんは、正期産(予定日付近での出産)か早期産(早産)かによっても臨床像が大きく異なります 。 例えば、正期産の子は道具を使うのが苦手だけど知能がとても高い傾向があったり、早期産の子は身体の症状が重くてもおしゃべりが非常に流暢だったりします 。
だからこそ、マニュアル通りではなく、目の前のお子さんの「得意・苦手」に合わせたオーダーメイドの戦略を立てていくことが不可欠です 。
お子さんの「やりたい!」という強い気持ち(報酬系)を刺激しながら、一歩ずつ安定した動きを増やしていけると素敵ですね!

コメント