【脳科学】子どもの「落ち着きのなさ」は脳の工事中が原因?知っておきたいブレーキの仕組み
「何度言ったら分かるの!」
「どうしてそんなに落ち着きがないの?」
毎日、子どもに対してこんな風にイライラしてしまうこと、ありませんか?
片付けを始めたと思ったら別のおもちゃで遊び始めたり、授業中なのにモゾモゾと体が動いてしまったり……。大人のモノサシで見ると、子どもの行動って本当に「無駄」や「寄り道」だらけに見えますよね。
「私の育て方が悪いのかな」「この子の性格に問題があるんじゃ……」と悩んでしまうお父さん・お母さんも多いかもしれません。
でも、安心してください。
原因は、子どもの性格でも、あなたのしつけのせいでもありません。
脳科学の視点から見ると、理由はとってもシンプル。「子どもの脳には、まだ『ブレーキ』が完成していないから」なのです。
今回は、知るだけで明日からのイライラがちょっと軽くなる、子どもの脳の「ブレーキの仕組み」についてお話しします。
1. 脳内はいつも「アクセル」と「ブレーキ」の格闘
人間の頭の中には、行動をコントロールするための「アクセル」と「ブレーキ」の役割を持つ部位がそれぞれ存在しています。
アクセル(本能や感情): 脳の奥深くにある部分です。「おもしろそう!」「やりたい!」「嫌だ!」と、突発的な欲求や衝動を瞬時に生み出します。
ブレーキ(理性やコントロール): おでこの裏側にある「前頭前野(ぜんとうぜんや)」という部分です。「待て、今は静かにしよう」「これをやったら危ないな」と状況を判断し、アクセルの暴走を上から抑え込みます。
子どもが突拍子もない行動をしたり、感情を爆発させたりするのは、この「ブレーキ(前頭前野)」が圧倒的に未完成だからなんです。
2. 衝撃の事実!ブレーキの完成は「20歳を過ぎてから」
驚くべきことに、脳の部位の中で、このおでこの裏の「ブレーキ(前頭前野)」は一番最後に成熟することが分かっています。
感情のアクセルは小学生くらいでかなり強力に発達するのに対して、それを抑えるブレーキが完全に完成するのは、なんと20歳〜25歳頃。想像以上に遅いですよね。
つまり、子どもの脳内がどういう状態かというと……
「スポーツカー並みの超強力なアクセル」がついているのに、「自転車並みのペラペラなブレーキ」しか持っていない状態なのです。
子どもの成長に合わせた「脳のロードマップ」を時系列で見てみましょう。
これを見てわかる通り、子どもがじっとできなかったり、すぐ誘惑に負けてしまったりするのは、サボっているわけでも反抗しているわけでもなく、「脳のスペック的に、物理的に無理」だからなのです。
3. 大人が「外付けブレーキ」になりすぎないで
じっとできない子どもを見ると、大人はついつい「ダメ!」「静かにしなさい!」と先回りして、大人の力で無理やり行動を抑え込んでしまいがちです。
もちろん、危険なことや他人に迷惑をかけることは止める必要がありますが、過度な押さえつけには落とし穴があります。
まだ弱い子どものブレーキに対して、大人が「強力な外付けブレーキ」になって四六時中縛り付けてしまうと、子ども自身の前頭前野が「自分で状況を判断して、自分でブレーキをかける」という練習をするチャンスが奪われてしまいます。
また、近年の研究では、子どもが「動きたい!しゃべりたい!」という本能的なノイズ(ゆらぎ)を無理に抑え込もうとすると、それだけで脳のエネルギーを使い果たしてしまい、肝心の学習や創造性のために頭が働かなくなってしまうことも分かっています。
大人の目には「無駄な動き」に見える貧乏ゆすりやモゾモゾ、独り言なども、実は子どもが「自分の脳のピントを合わせる(集中力を保つ)ために、必死にノイズを出して調整している姿」だったりするのです。
まとめ:おでこの裏は「ただいま工事中」
大人から見れば「無駄」や「トラブル」に見える子どもの言動は、未熟な脳が外の世界を一生懸命学んでいる真っ最中(=脳の実験中)のサインです。
安全が守られている範囲であれば、多少の「モゾモゾ」や「脱線」は、脳の成長に必要なプロセスとして、大らかに見守ってあげるのが実は一番の近道。
次に子どもが言うことを聞かなくてイラッとしたときは、怒る前に一呼吸置いて、子どものおでこの裏をそっと見つめながら、心の中でこう唱えてみてください。
「よしよし、今、一生懸命ブレーキの工事をしてるんだな」って。
それだけで、目の前の子どもの見え方が、ちょっとだけ愛おしいものに変わるはずです。


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