脳障害に伴う運動の問題


何らかの原因で脳に障害を持った子どもが運動に障害もつことがあります。「なぜ、すわれないのでしょうか?なぜ、歩けないのでしょうか?」という質問をうけることがあります。

運動をするためには外の世界の状況に気づき、過去にあった記憶と照合して、運動を企画して、目的を持って運動を始めることが必要です。このようなことは脳の働きによって行われます。

又、私たちは通常は重力のある世界で生活しているので、重力とうまく付き合うことも必要です。私たちの身体はいつも地面に向かって引っ張られています。その力に負けていては運動ができません。重力に対抗して姿勢を保つ活動を抗重力活動といいます。姿勢の保持やバランスの活動がこれにあたります。上手になってくると重力を利用して運動をより効果的にすることもできるようになります。(柔道の投げ技、歩行などは自分の筋肉で起こすちからだけでなく、相手や自分の重さを利用して運動を効果的にしています。)これも脳の働きによって行れています。

脳の働きが悪くなると運動に問題を生じるのはこのような機能の低下が原因となっています。

それでは運動の障害が生じた時には、どんな対策があるのでしょうか?

一つには自分の身体の機能自体を向上させる方法があります。人間は学習や発達によって機能を向上させることができるので、スモールステップで良い経験を積み重ねるという方法です。

もう一つは自分の身体の動きを機械や道具などの利用によって補うという方法です。

二つの方法は別々に実施するよりも、同時に組み合わせて実施されることが多いと思います。

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