背臥位の発達 手と手を合わせる

赤ちゃんが3ヶ月頃になると背臥位で手と手を合わせたり、自分の手を眺めたり、自分の手をなめたりします。ハンドリガードと呼ばれます。

その時赤ちゃんの脳の中では左右の体性感覚野が同時に活動したり、視覚野と体性感覚が同時に活動したり、手の体性感覚野と口周囲の体性感覚野が同時に活動しています。

”Hebbの法則”という学習における神経系活動についての重要な法則があります。それによるとAとBの神経細胞が同時に興奮することが繰り返されるとAからBへの細胞の興奮伝達効率が増強されます。そのことを言葉を変えると記憶というそうです。

乳児期は 多様な感覚運動学習がおきます。それらは感覚間の統合の経験によって生じます。背臥位姿勢の発達は感覚間統合にとって重要な意味を持つといわれています。

障害を持った赤ちゃんが目の前に来た時に大人は玩具での遊びの種類や移動能力だけを見るのではなく、その基礎となる身体図式(身体部位間や身体と空間の関係の記憶)もみていけるといいと思います。

PTは麻痺などの影響で手と手を合わせたり手を口にもっていったことの経験がない子どもと会うことはめずらしくありません。抱っこや寝ている姿勢を工夫して感覚統合経験を増やすことはそれほど難しくない場合もあります。それが将来役に立つことを大人が思いつくことができるかどうかにかかっています。

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