小児期の脳性運動障害 成人との違いなど


感覚情報を受け取り、脳内で多様なネットワークで計算して運動指令を出すことを繰り返して行動が変化することを学習といいます。使用できるネットワークが多ければより適応的な運動ができるといえるでしょう。

脳にダメージを受けて運動に障害が出る時はこの計算過程に問題が生じているといえます。

一方に発達という現象があります。乳児から幼児・学童へと年齢が高くなると使用できるネットワークの数が増えたりや情報処理のスピードが速くなります。発達に伴う脳の可塑性は脳内の運動指令に関与する部位だけでなく感覚情報の分析や行動企画、情緒に関与する部位にも生じます。部位によって時期の速い遅いはありますが、脳の発達は脳の全体で生じます。

例えば自信であるとか、自主性や意欲ということについては発達の中で確立していきます。子どもの場合は特別な配慮が必要になります。自信については親御さんや身の回りの大人の称賛や子どもへの信頼が必要になります。そのようなことへの理解は自然に子育ての文化として親御さんは持っていますが、障害がある子どもの親としてのストレスや不安がそれを妨げてしますかもしれません。

歩く機能ということでも、過去に歩いた経験のある人と、一度もあるいたことない子どもでは運動のイメージということについて違いがあります。子どもは実際に歩行練習することがより重要になるといわれるのはそういうことかもしれません。

小児科医師、保育士や幼稚園教諭などは乳幼児期の子育てについて専門家としてより深い知識や技術をもっています。リハビリの専門家は障害やその回復についての知識や技術が高いでしょう。チームワークによって障害の回復と発達の保証は同時に目指すことが必要だと思います。


 

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