重症心身障害児の呼吸管理
重症心身障害児の呼吸障害いくつかの原因があります。 対策も異なるのでお子様の呼吸障害のタイプを知っていることは大切です。複数の状態が併存しているお子様もおられます。 大きくは3つのタイプがあると言われています。 ①中枢性低換気(脳幹部の呼吸中枢)の障害 一次性(重症仮死に伴うもの)二次性のもの(気道狭窄により低酸素・低換気が継続することによって呼吸中枢が麻痺してくるものやお薬の影響によるもの)あります。 対策はNPPVなど人工呼吸器の使用やお薬の調整があります。 ②上気道下気道の空気通過が悪くなるもの(閉塞性呼吸障害) イラストに示したように様々の原因があります。代表的なものはアデノイドの肥大、舌根沈下、下顎の後退、喉頭軟化・披裂部陥入・気道狭窄・気管支喘息などがあります。 対策として経鼻エアウエイ、アデノイドへの耳鼻咽喉科的治療、気管切開、喉頭軟化に対する外科的治療、喘息への薬物治療・ポジショニングなどがあります。 ③肺が広がりにくくなるもの(拘束性換気障害) 胸郭の変形・呼吸筋の機能低下・肺炎などが原因となります。対策として、呼吸筋のストレッチ、呼吸介助法、体位排痰、薬物治療、ポジショニングがあります。 重症心身障害児では上記3つの呼吸障害に加えて呼吸憎悪因子があるといわれています。 ①分泌物貯留②胃食道逆流症③誤嚥④てんかん⑤過緊張などがそれにあたります。これらの症状の改善も呼吸機能の改善につながります。 体調が悪くなって入院している状態と、安定した状態で家庭にいる時では対応方法も変わってきます。体調に合わせてにはなりますが、安全・安心・安楽な状態を作ることが目標になってきます。