関節拘縮

 

運動麻痺があったり、関節や筋肉の障害が原因で生活の中で関節を動かすことが困難な方では関節の拘縮(関節の動く範囲が制限されるが状態)が起こりやすいといわれています。

大人の方でも関節拘縮は生じますが、子どもの場合には大人と違った原因もあります。

まず大人と子どもに共通な原因は、麻痺や筋力低下、痛み、治療のためのギプス固定などにより長期間関節動かせないことにより、筋肉やその他の関節周囲の軟部組織が短縮してしまうことです。

次に子ども独自の原因です。子ども場合は骨の成長が著しいことが拘縮の発生に拍車をかけます。身長が伸びていく時には骨は少しずつ自分で伸びていきますが、筋肉は筋肉自身が自分だけで伸びていくのではなく、関節が動く時に伸ばされることでその長さが伸びていきます。骨と筋肉が長さが伸びる方法が違うので、身長が伸びる時期には拘縮が進みやすくなります。麻痺が悪くなったのではないかと思われる親御さんもいらっしゃいますが、生まれつきの関節拘縮で麻痺がない方でも変形は進行します。

小学校6年生までの伸長の平均は男女差がありませんが、思春期が始まるために女子の伸長は10歳~12歳の2年間に急速に伸び、その後発育速度は急速に落ちていきます。男子は遅れて11歳~14歳の3年間に急速に身長が伸びます。
この時期は拘縮が進みやすくなります。

関節の可動範囲に問題があるお子さんでは小学校期には、ストレッチを毎日行うように指導しています。
ストレッチをする際は以下のことに配慮しましょう。

①どの筋肉をストレッチする必要があるか専門家に特定してもらう(ストレッチする筋肉の数を限定して実施時間を最小にする) 
②毎日習慣にできるように、日常のルーチンにとりいれる(お風呂の後、寝る前など)
③関節を動かす際はゆっくりと愛護的に動かし無理な力で動かさない
④関節の動きの最終域で止めて20秒保持する
⑤状況によってはマッサージや筋膜リリースと組み合わせる(詳しい方法は別の機会にお伝えできればと思います)



コメント

このブログの人気の投稿

つま先歩き(尖足歩行)

F-word (障害児の生活機能把握の考え方)

運動発達② 乳児の姿勢 生後3カ月 正中位指向