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9月, 2025の投稿を表示しています

運動能力に影響を与える運動以外の要因とそれへの対応

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 日常の生活の中で何か運動が苦手な子は人によって様々な要因を持っています。その中には運動の協調やバランスの問題・運動学習の問題といった運動そのものの要因とそれ以外の要因があります。 ①苦手意識や不安といった心理的な問題は運動能力に大きな影響を与えます。 この影響の有無を考える時には子供に安心を与える中で運動を見てみる必要があります。一番大切なのは自尊心をきずつけずにその子の価値を認めてあげることだと思います。人は他の人から見下されることをとても嫌います。逆に認められることをと持て好みます。できるだけ信頼関係を作った上で運動能力を見定められれば心理的な要因の影響を大きさを知る事ができると思います。 ②注意の問題や衝動性の問題は運動の正確さに大きな影響を与えます。 この影響の有無を考えるためには気づきを以下に促すかが重要です。始める前に一旦止まってから開始すること、運動をしている途中で経過が上手くいっているのか気づくことを促します。そうすることで運動が少し上手になるのなら注意や衝動性の問題が運動にかなり影響していると考えられます。気づくのは運動ではなく、感覚や結果であることがヒントになると思います。 その他にも次のような要因が考えられます。 ③運動の経験が多いか少ないかも影響します。自然の遊び場や公園などが近くにあるか、周りの大人がそいうところで遊ぶ経験をもたすようにしているかどうかも影響します。 健康や学習・遊び・友人関係に運動が役立つことを周りの大人が知っているだけでも大分違ってくる印象があります。 ④年齢相応の問題も大きく影響します。3歳の子どもは6歳の子どもと同じ運動はできません。 これは典型的な発達の多くの子どもの比較するということではなく、その子なりの成長過程を予測することが大切だと思います。

課題指向アプローチ・過程指向アプローチ・生態学的アプローチ

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 発達性協調運動障害のアプローチには課題指向アプローチと過程指向アプローチがあるといわれます。 課題指向アプローチはある特定の課題解決を目標にしているアプローチいわれています。支援効果があるとする研究が多くあります。課題指向アプローチは一つの方法ではなく、CO-OP、NTTなどいくつかの支援方法があります。これらのアプローチの特徴のうち「本人自身が決めた日常活動の目標を支援者が一緒に解決していく」という考え方に自分は引かれます。 これに対して過程指向アプローチというのは発達理論や機能獲得の理論をもとに現在必要な支援を考えるアプローチです。これも一つのアプローチではなく感覚統合療法など様々なアプローチがあります。これらのアプローチの考え方のうち「先を目指すだけでなく、発達の土台をつくろう。」という考え方に自分は引かれます。 これらのどちらとはいえないが生態学的アプローチと言う考え方もあります。人は環境と相互作用の存在している考え方でこれも広く利用されている考え方です。「その子の力が発揮できる環境を提供しよう。」これも大変魅力的です。環境とは人であったり・物であったり・制度であったりします。 私自身は現在は3つの支援の考え方をうまく合わせてやっていきたいと思っています。 こどもリハかわせみ

理学療法士 哲学 科学 技術

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 世間では理学療法士は技術職と言われています。技術とは上手にある物を扱う技です。何を上手く扱う技をもっているのかといえば、身体や生活における運動の関係する分野の専門家といわれています。理学療法士実際には医療・福祉・教育・スポーツ等多様な分野で活躍しているので、全部の分野ができる理学療法士は少ないと思います。特定の活動分野を持っていてそこでの専門技術を持っているというのが普通でしょう。 技はアートであり言葉にするのが難しい部分を含んでいます。技の裏には法則や理論があります。科学的な背景といわれるものでしょうか。特に医療系専門職では科学的である事を求められます。そして最後に哲学を持っていることも求められます。理学療法を使って何をしたいのか、何のために理学療法を行うのかという事を理解するためです。 理学療法は技術であり、科学であり、哲学であるとはよく言われることです。これは理学療法がそういうものだと説明しているとも考えられますが、理学療法士には技術と科学と哲学が必要だ言っているとも思われます。 地図に例えてみます。近所の小学校の場所を説明するのに簡単な案内図を描くことがあります。その小学校まで行くためにはそれが一番利用しやすい効果的な地図ということになります。隣の市までいくためには県の道路地図も必要かもしれません。他県まで行くのならばさらに広範囲の含まれた地図が必要です。行く場所によって色々な地図が必要になります。 プロはある範囲ですが様々な状況に適格に対応しなければなりません。理学療法士が業務を行う際には技術・科学・哲学が必要だというのは一枚の地図ではダメだよと沢山の地図をもとうと言うことではないでしょうか。 こどもリハかわせみ

理学療法士の意志決定に影響する自分自身

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 理学療法士がある患者さんにどのように関わればいいのか?その意志決定に係るものって大きく2つあると思います。 1つは患者さんの情報を分析統合する過程です。 もう1つは理学療法士自身の在り方・考え方です。哲学だったり職業倫理だったりです。もっと平たく言えば「理学療法士の仕事の目的は何か?」「理学療法士はどのような事に価値をおくのか?」などについての考えです。 患者さんの側の情報を論理的に分析する(クリニカルリーズニング)だけで治療行為の内容は決まっていません。その理学療法士自身の在り方が治療や支援に影響しています。その理学療法士が持つ価値観が少なからずクリニカルリーズニングの結果としての治療行為や支援行為に影響をあたえています。 理学療法士の価値観や態度についてあなたは誰かに教わったことはありませんか。就職した最初の頃のオリエンテーションで聞いたくらいでしょうか。いやいや職場の先輩や上司の背中を見て暗黙の裡に教えられているものってありますよね。 背中を見て感じるだけでなく言葉にして伝えられたことはりませんか。「能力を見るのか、障害をみるのか」「治療なのか支援なのか」「治療者主体なのか本人主体なのか」になどついて支援モデルとして説明を受けたことはありませんか。 きっとありますよね。 支援モデルの問題=支援哲学の問題です。目的や価値観を考える中で出てくる問題です。人からこうすべきと言われたことを鵜呑みにすることではなく、自分の生活実感とすり合わせて、自分で納得ができるまで考える問題です。あなたはそういう事について考えることは得意ではありませんか。でも私は大切な事だと思います。 こどもリハかわせみ