脳性麻痺 痙直型両麻痺 歩行
ヒトの歩行は直立2足歩行と言われています。足の上に頭がある直立位であることと、そこから前方に倒れていく倒立振り子運動によって前進することが特徴だと言われています。スピードはあまりでませんが、エネルギー効率にすぐれていて、両手が自由になるので物を運ぶことも容易です。
脳性麻痺の中で痙直型両麻痺は上半身に比べて下半身に痙性麻痺が強い状態です。このような麻痺の状況がある人の歩行を横から見ると体重を支えている側の脚は股関節や膝関節が屈曲していたり、つま先立ち(尖足)になったりしていることが多くあります。
このような脚の状態になっていると歩行の際に物理的に不利になることが3つあります。
①股関節や膝関節が屈曲していると身体重心の位置が低くなり重心を前に移動することが大変になります。
②つま先立ち(尖足)があるとつま先より前に重心をださないと身体が前に倒れていかないためにやはり重心を前に出すことが大変になります。(健常だと足関節より前に重心があれば身体は前方に倒れていきます。)
③左右の脚に麻痺があるために、脚と脚を前後に大きく開くことがしにくくなります。
結果として発達上は歩行開始の学習の困難さが高まります。歩行開始が学習できた後には重心を前方に強い力で移動し続けなければならないので歩行スピードが高くなりがちです。ゆっくり歩いたり、歩いて止まる、段差に手すりなしで上るなどは困難さがでやすい課題です。
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