脳性麻痺 痙直型四肢麻痺 変形と座位姿勢の関係

 

脳性麻痺をもった子どもで痙直型四肢麻痺タイプの子どもに日常の座位姿勢で屈曲姿勢をとりやすい子どもがいます。屈曲優位の座位姿勢は下の絵のように頸部過伸展、肩甲帯が外側に変位し挙上、胸腰椎の屈曲、骨盤の後傾、下肢伸展など一連の異常姿勢につながりやすくなります。

このような姿勢の要因として
①痙縮や筋の短縮など筋肉の過緊張と、低緊張(筋力低下)による抗重力活動の弱化
②身体の状態を感じ取る体性感覚の障害
③効果的な抗重力活動の経験不足からくる発達上の問題
④椅子や抱っこなど物的・人的環境の影響
⑤その他(興味・関心・生活課題 etc.)
などがあります。

姿勢が変形を生み、変形がさらに姿勢を悪くするという悪循環が起きないようにします。
日常の座位姿勢の基本は次の絵のように足部や座骨部で体重を支えて頭部と体幹を直立位にすることです。

もちろんこの姿勢は理想的な姿勢ですので、それぞれの子どもに合わせた調整が必要になります。活動状況に応じ座位全体の角度を変えたり、座位時間の長さを検討したりします。家族・医師・座位保持装置の作成業者・理学療法士・作業療法士が共同で行う座位保持装置の作成調整はかなり個別的な作業です。


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