重症心身障害児 理学療法


重症心身障害をもった子どもの理学療法の目的として多くの方から認められていることはなんでしょうか。一般的には関節可動域の改善・呼吸機能の向上・快適で機能的な姿勢の導入などがあると思います。

理学療法でこれらの目的を達成するために使われる支援仮説で重要なものの一つは、重症心身障害児の障害の原因には先天的なものもあれば、二次的(発達的or経験的)に生じるものあるということだと思います。そして、発達的or経験的に生じる障害は決して小さな量ではありません。

理学療法では姿勢運動の改善という方向性のアプローチが主となるので、重症心身障害を持っている子どもの抗重力活動やバランスの活動の潜在能力を見つけ出す評価が重要です。

本人一人で頭部や体幹を垂直位保てるかどうかを見る評価では課題が難しいのでなかなか点数がはいりません。しかし、ゆっくり注意深く介助したり、子どもが余裕をもって受け入れられる刺激をさがしてみましょう。 その子が潜在的にもっている姿勢の反応性を身体アライメントや筋収縮のレベルで見つけだせると、それをうまく利用することでリラクゼーション、ストレッチ、呼吸改善、日常の快適姿勢をみつけることにつなげられることもあります。セラピストにとってはその子の力を肯定的にみるきっかけにもなる点もあると思います。

重症心身障害児は広範な脳の障害により限られた抗重力活動のパターンを繰り返し使って重力環境に適応しています。臨床場面ではそのことが、生理的な機能やコミュニケーション機能とも相互関係をもっていることをよく経験します。


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