子どものリハを行う理学療法士に求められるもの

 


子どものリハを行う際に理学療法士に求められるものは様々でしょう。子どもの人権を守る、家族を支援する視点を持っている、職種間連携を重視するなど不可欠です。ただそれは子どものリハビリ(療育、発達支援)に関わるどの職種にとっても求められるもので、理学療法士も当然それを理解し、身に着けていることが期待されていることだと思います。

それがあった上で理学療法士には何が期待されるのでしょうか?

1つ目は子どもの個別性を理解する手がかりを与えてくれることだと思います。小児期の障害に関する疾患は多種多様です。診断名も沢山ありますが、たとえ診断名は同じでも、脳性麻痺や自閉症スペクトラムの診断は症状診断ですので障害されている障害の原因となっている脳や神経の状態は多様です。その結果、運動や行動の状態はかなり個別性があります。そして、一人の子どもでも脳や神経は年齢によって発達に伴う変化がありますので子どもの年齢による状態理解も必要になります。理学療法士は特に姿勢運動面の多様な状態像を評価し、一見同じように見える状態でもどこがその子の特徴なのかを理解し、ご家族や他職種にわかりやすく伝えることができることが求められていると思います。

2つ目は姿勢運動面の将来像を予測することでしょう。その子ども長い人生の将来を見据えていくことはなかなか困難な課題です。障害の中には比較的将来像予測がたてやすいものも、そうでないものもあります。できる限り将来像を予測する力を高めることが必要だと思います。

3つ目は生活を理解する力をもっていることでしょう。年齢によって生活圏は拡大し必要となる生活機能が変化します。理学療法士は一つの病院やステーション、事業所に所属していることが多いので中々生活の変化に気づけません。訪問や連携にでたり、本人や家族からの聞き取り能力を高めることでより生活にあった具体的な目標を定めることが期待されていると思います。

4つ目は具体的な対応策を提案できることでしょう。本人が楽しみながら成功体験をするためのスモールステップを見つけ出し提案してくれることを子どもや家族は求めていると思います。


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