最近、日本では脳性麻痺の定義を示す場合二つの定義を並べて示す場合が多いようです。 1つは1968年の厚生省脳性麻痺研究班会議で策定された定義です。 「受胎から新生児期(生後4週間以内)基づく、までの間に生じた、脳の非進行性病変に永続的なしかし、変化しうる運動及び姿勢の異常である。その症状は満2歳までに発言する。進行性疾患や一過性運動障害又は障害正常化するであろうと思われる運動発達遅延は除外する。」 もう1つは2004年に開催されたWorkshop in Bethesda で策定された定義です。 「脳性麻痺の言葉の意味するところは、運動と姿勢の発達の異常の一つの集まりを意味するものであり活動の制限を引き起こすが、それは発生・発達しつつある胎児または乳児の脳の中で起こった非進行性の障害に起因すると考えられる。脳性麻痺の運動障害には、感覚、認知、コミュニケーション、認識それと/または行動、さらに/または発作性疾患が付け加わる。」 別に1998年欧州で脳性麻痺の他施設共同研究(surveilance cerebral palsy in Europe; SCPE)が行われた際、施設間で統一された定義がなかったので5つのポイントを提示してそれを定義の大枠としています。。脳性麻痺の複雑な定義のポイントとしてわかりやすいので記載します。 ①脳性麻痺は障害の複合体である ②これは永続するが変わらない ③これは運動および/または姿勢と運動機能の障害である ④これは非進行性の干渉要因/病変/異常に起因する ⑤この干渉要因/病変/異常は成長する脳に起因する 医学的診断は医師がつけるものです。その定義は一定の人たちの共通理解として定義されていくもので時代により変更されていくものです。最近の脳性麻痺の定義に対する変遷は内容的にも納得できるところがあります。 しかし、理学療法士として,直接に脳性麻痺を持つ子どもやその家族と関わって感じるのは、脳病変の診断のみ(例えば脳室周囲白質軟化症、低酸素脳症とかだけで)で運動面や行動面の状態像が詳しく説明されていない家族もいるという現実があります。また、脳性麻痺という診断がついていても、脳性麻痺という診断はその意味するところが大変複雑で一般の方には理解しにくいところがあるのではないかとも思います。 医師による障害の医学的診断は親が子どもを理解していくうえで