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公園・園庭・リハ室

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子ども達と近所の公園に行くと、子どもは自分から遊び始めます。遊び方も自分で工夫して結果として色々種類の運動を楽しみながらしています。 保育園や幼稚園にもそれぞれの先生方が工夫をこらした園庭があり、お友達と一緒に障害をもった子ども達も生き生きと遊んでいます。 リハ室も子ども専用のリハ室ならば子ども達は生き生き色々な運動をして遊んでほしいと思います。 小さい子どもの運動を促す時に大事な事は自発性と多様性です。それらは環境によって引き出される面が多くあります。 子どもの運動面の好奇心を引き出すことはリハにおいても大変重要だと思います。 自然を生かした広い公園や大好きなお友達や先生がいる園庭の様にはいきませんが、リハ室にはセラピストがいるので一人一人に合わせて、また違った運動への意欲や、それまでにない運動の成功経験を引き出せるかもしれません。 昔私がPTの学生の頃、小児実習にいったリハセンターで、そこのトップのPTの先生が広い小児のリハ室の真ん中に沢山ウレタンをつんで大きな山をつくって子ども達に好きなように登らせていたのを思い出します。 子どものリハ室は子どもが楽しめるところにしたいものです。 こどもリハかわせみ  

生後の1歳までの運動発達の学び方 PT向け

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                    首がすわっていない生まれてすぐの頃から、歩けるようになる1歳前後までに赤ちゃんの抗重力活動は飛躍的に発達します。 うつ伏せの発達でいえば、3カ月で肘支持ができ、6ヶ月で手支持ができ、10ヶ月で四つ這いができるなどの大きな変化があります。これは抗重力能力が高まってきたことを示す一つの指標です。 では、なぜより重心の高い姿勢がとれるようになるのでしょうか。肘支持ができる頃の月齢の赤ちゃんと手支持ができる月齢の赤ちゃん違いは色々ありますが、大きな特徴の一つに体幹も含めた筋肉の力の入り方の発達があります。 うつ伏せで手で支えて頭を上げる時、赤ちゃんは腕の力だけで支えているわけではありません。肩の周りやお腹や背中や脚まで色々な筋肉が同時に力をいれることでうつ伏せで手で支えて遠くを見ることができるのです。 赤ちゃんが新しい姿勢ができるようになる時、同時に力の入れらる筋肉のグループも変化しています。力の入る筋肉のグループを理解するためのよい方法は大人が自分で同じような姿勢をとってみることです。 写真や動画で運動発達を学ぶだけでなく、自分で同じような姿勢をとってみて力の入り方を実感するような勉強の仕方は自分のボディイメージ高めることができます。特に支援の際にハンドリングを使うPTは自分で赤ちゃんと同じような姿勢をとるという経験は大切な勉強方法だと思います。 こどもリハかわせみ

脳性麻痺 一人一人違う 発達と脳障害の関係

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脳性麻痺をもった子どもは、お母さんのお腹にいる時や生まれて間もない発達途上の脳の病気によって姿勢や運動のコントロールに障害をもっています。一口に姿勢や運動のコントロールといってもその状態は一人一人違います。脳性麻痺をもっている子どもは運動以外の様々脳の働きにも一緒に障害をもっている子どもも多くいます。つまり、脳性麻痺というのは様々な状態のある病気の名前で、同じ名前の病気を持っていても一人一人は違う子どもだということです。 発達途上の脳の病気によってというところも大事なところです。発達というのは年齢を重ねることで身体や心が変わっていくことを言います。なぜ発達がおこるのでしょうか。一つはその子の身体の中にある遺伝子などの働きによります。もう一つは学習によります。この二つはお互いに関係しあっていると言われています。遺伝子の働きが経験を変え、経験が遺伝子の働きを変えます。 脳卒中という大人の脳の病気でも姿勢や運動のコントロールに障害が出ることがあります。でも一度歩いていた方が歩けなくなったのと、まだ歩いていなかった子どもが歩けないのとは違いがあります。大人で一度歩いていた方の脳の中には座る・立つ・歩くといった姿勢や運動に対応した記憶がしっかりと作られています。生まれて早い時期から障害を持っている脳性麻痺の子どもは座る・立つ・歩くの記憶がなかったり、少し違った姿勢の記憶として残っていたりします。姿勢や運動の記憶は経験の仕方によって変わってくるところがあるので、装具や運動療法、手術やお薬などを使って色々な姿勢運動を経験することも大切だと考えられています。 こどもリハかわせみ

知的障害 身体は様々 体育は全員一緒でいいのでしょうか

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  知的障害をもっている子どもが身体障害をもっていることがあります。 身体障害をもっているといっても診断がつくような明らかな身体障害をもっていることもあれば、少し足に変形があるなど身体障害といえないくらいの身体の問題を持っている子もいます。*ちなみに障害というのは生活上の不便さをいうので、現在の生活上に不便さがなければそれは障害とはいいません。 足に変形があっても現在の生活に支障がなければ今の状態は身体障害ではありませんが、学校で体力をつけるという目的でその子をどんどん長距離を走らせたりするべきでしょうか。答えは一人一人によって違うと思います。ただ、言えることは大人になっても関節の痛みなどなく、長く元気で生活してほしいという視点もあるということです。そういう視点から言えば無理せず、適度に運動するということを考えてみてもいいと思います。 知的障害児と言われる子どもの中にも外反扁平足、外反母趾、X脚、O脚などの変形をもった子どもがいます、あまりに強すぎる運動は将来の痛みにつながるかもしれません。低緊張で筋力が弱くとても疲れやすい子どももいます。知的障害を持った子どもの身体は健常の子ども以上に多様性があることを知っていて下さい。様々な障害を持った子どもの体育は、健常の子どもの体育以上に一人一人の特性に合わせていくことが必要だと思います。子どもは体力をつけるべきという単純すぎる大人の思い込みが、将来子どもの身体にマイナスにならないようにしたいものです。 こどもリハかわせみ

脳性麻痺 低緊張児

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 脳性麻痺の子どもの中に低緊張が強い子どもがいます。脳性麻痺と診断がついていなくも脳の障害によって低緊張を生じている子どもについて書きます。同じ低緊張が強い子どもでも筋肉の病気や脊髄神経の病気などによる低緊張が強い子どももますので注意してください。 脳障害による低緊張の子どもは抗重力姿勢がとりにくいという特徴があります。絵ようにお座りで二つ折れになったりする子もいます。抗重力姿勢がとりにくい原因として物理的な側面と感覚的な側面があると思います。 物理的な側面とは筋力や耐久性の問題として抗重力姿勢が保てないという側面です。比較的わかりやすい側面で少しずつ筋力や姿勢耐久性をつけていくような日常の工夫をします。 感覚的な側面とは筋肉が収縮している時の感覚(固有感覚)が入りにくいという側面です。固有感覚が入りにくいと座位ならば座位の時の身体の状態を脳の中に記憶することがしにくくなります。座位という記憶が頭の中になければ自分から座位になろういう事を思いつきにくくなりますし、その姿勢を保つということも難しくなります。*ちなみにそのような記憶のうち意識が関与しない記憶について身体図式(ボディスキーマ)と呼び、意識が関与する身体の記憶は身体像(ボディイメージ)と言います。自分の身体の位置の感覚情報がはいりにくいのは低緊張の子どもにとって大きな問題の一つです。 このように姿勢保持に困難性を持つ低緊張の子どもの日常の工夫として ①マッサージやふれあい遊びなど身体の感覚を使う経験をする ②特別に工夫された椅子や立位保持具を使用して抗重力姿勢をとる時間をつくる ③介助方法を工夫して抗重力姿勢をとる時間をつくる などがあります。 こどもリハかわせみ

特別な診断のない運動発達の遅れのある子への相談場面 地域のPTさんへ③ 動かない子

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  動くために必要な身体の働きは大きくわけて4つがあります。 ①重力に抗せる筋力 ②安定した姿勢を保つバランス力 ③周りの世界や自分の身体からの感覚情報を整理してとりいれる力(感覚調整機能) ④自分はどのように動けばそこに近づけるのか短期記憶を整理して運動を企画する力(実行機能) これらの4つの働きはどれも新生児の頃はあまりみられませんが、生後1年間の神経系ネットワークの急激な成長発達で段々みられるようになってきます。 特に④番目の力が弱いのかもしれないと思われる赤ちゃんはお母さんが次のように言う事があります。「新しいことが嫌いでとても慎重な性格に思える」 そのような子どもの中にはおとながやらせれば座る、立つの姿勢はとれるのに自分から姿勢変換しないとか、ずっと同じ場所て遊んでいて移動しないというような子どもがいます。 又セラピストなどが発達状態をチェックすると一人の子どものなかに月齢相応にできていることとできないことが混在している」ことが多くあります。 私はこのような赤ちゃんとお母さんを支援する時に気を付けていることは2つあります。 ①運動面の変化が中々起きないのでお母さんは焦りがちです。運動発達は後から追いついてくることか多いので、その子なりの成長をしっかり確認してお母さんに伝えることでお母さんの気持ちを支えます。 ②子どもは新規なものに強い抵抗を示す場合がかなりあります。そのような場合は嫌なことに慣らしてできることの数を増やす指導方針はうまくいかないことが多いです。その子が好きな遊びや好きな姿勢からはじめて、少しずつやれることの数を増やしていきます。しかし、同時に遊びが同じことばかりの繰り返しにならないようにも注意します。上手く子どもに新しい成功体験をつくるようなアイデアが必要になります。 こどもリハかわせみ

重症心身障害児 触覚過敏 触られることに慣れる

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重症の子どもの中に触られると筋肉を固くして不快な表情になったり、動脈血酸素飽和度(サチュレーション)が下がる子がいます。呼吸改善のために肩や胸を動かしてあげたくても触るだけで緊張があがると中々うまくいきません。 まず、体調や機嫌がいい時に身体に触られることに慣れてもらいしょう。 触る時は身体の正中線に近い場所や掌は敏感なので鈍感なところから触りましょう。 触り方 ①できるだけ手の広い面で触る ②子どもの身体に軽く圧をかけるように触る  ③そのままの状態をキープする こちらの体温を感じてもらうイメージ ③少しずつ圧を抜くようにゆっくりと手を離す スキンシップはコミュニケーションのはじまりです。大人も気持ちに余裕をもって行いましょう。 こどもリハかわせみ