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乳児の運動を促す(赤ちゃんの意欲について)

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 乳児に運動発達を促そうとする時に役立つように書きました。 運動を自動車に例えれば、自動車自身の機械としてのつくりが万全であっても運転手がのらなければ自動車は動きだしません。ガソリンが入っていなけれ自動車は動き出しません。 乳児の身体が自動車だとすれば、運転手にあたるものは何でしょう。目的をイメージする脳の働きです。ガソリンは健康や身近な世話をしてくれる大人の愛情です。 乳児が目的をイメージするとはどういうことでしょう。乳児期前半は目的をもった行動は明確ではありませんが、感覚と運動を結び付けて、自分で同じ状況を繰り返しつくりだすことが目的をもつことにつながっていくと言われています。 ガラガラを偶然ふったら音がでたので、その行動を繰り返すのはそれにあたります。 大事なことは赤ちゃんが楽しんで繰り返すことを発見して、そのような状況を大人も楽しみながら付き合ってあげることでしょう。 赤ちゃんはどんなものに興味があるでしょう。一番は人の顔かもしれません。音のするもの、動きのあるものが大好きです。運動を促すということを考えれば自分で何かすると動きがでるものの方がいいかもしれません。 赤ちゃんは視覚、聴覚、体性感覚(自分の動きを感じ取る感覚)を同時に使うことが好きです。そうすることで脳の中に新しい神経ネットワークを作ることができます。それは将来目的をもって世界に関わる基礎となります。 療育センターやこども病院の理学療法室にはよく写真のようなおもちゃがあります。左の写真のおもちゃは寝返りやお座りの際に使うことが多いおもちゃです。右側のおもちゃはうつ伏せで遊ばす時に使うことが多いおもちゃです。

乳幼児の運動

 乳幼児の運動は大人の運動とは違います。大人は健康や楽しみのために運動をします。乳幼児は世界を実感するために運動をします。 見えるもの、触れるもの、遠くのもの、近くのもの。子どものは世界の実感を運動を通してまなびます。それが将来言葉や思考の土台になります。 身の回り世界を身体で知ることはこどもにとってとても楽しいことです。こどもは楽しいことをどんどんやります。どんどんやればどんどんうまくなります。 こどもは大人に比べて簡単に怖がります。ですから、こどもを過度に怖がらせてはいけません。怖がっているこどもは冒険をしません。今できていることしかしません。こどもを安心させましょう。失敗しそうなら、こどもに手を貸してあげましょう。手助けは有効な教育的な手段の一つです。 公園のアスレチックの梯子を登りたそうにしているこどもがいます。でも、うまくできる気がしなければあきらめてしまうかもしれません。そこであなたの出番です。ちょっとこどものお尻をおしてあげましょう。一度成功できれば、次からは一人でやりはじめるかもしれません。